2008-06-22

オチは特にない - トートロジーは恒真である

「世の中について、隠された真実を教えてやるよ」

「聞こうじゃないか」

「世の中ってのは、実はな――50パーセントが中央値以下の人間で出来てんだぜ」

「……真実だな」

「だろ」

「自明であって隠されてないが」

「いやいや、意外とそうでもねー。俺の見る限り、世の中の80パーセントくらいの人間はこれを見落としてるね。んで気づいてる奴のほとんどは、上位20パーセントと下位20パーセントの中にいるんだ」

「興味深い観測なことで」

標準偏差(プラマイシグマ)以内の連中はいつも自分が普通だと思ってて、世の中みんな平均値と中央値でできてると思ってやがるんだぜ? 反吐が出るっての。みんなで決めたらそれでいいなんて、クソの役にもたたねえ」

「ふむ。まあそう結論するとアローの不可能性定理なんだが。
 ――それで? 君は上位2割なのか、それとも下位2割なのか」

「分かってて聞くんじゃねーよ」

「上位なら、そんな愚痴は吐いていない」

「まったくだ」
choreographed | comments (4)
2008-06-18

mixi裏サイト構想

「mixi のページを晒して集めるサイト」というのはどうだろう。

"裏mixi" というか "mixi魚拓" みたいなイメージで。
非公開のページを匿名でアップロードできて本人には無断で共有しちゃうようなやつ。

ユーザがある程度増えれば、部分的にだけど web 上にパブリックな mixi のミラーサイトを構築できる。
アップロードは面倒だから、プロキシ作って、mixi 内のページにアクセスしたら自動的にアップロードで。

勝手にアップロードすると人間関係にヒビが入りそうだけど、例えば「友人の友人まで公開」されてる「友人の友人のページ」だけアップロードするようにしておけば、ばれにくいぜ!
はてなブックマークみたいな暴力的言及装置と組み合わせるともしかしたら、えらいことになるぜ!


……というところまで考えて、自分の思考の終わりぶりにあきれた。

まあ実際には、ユーザがほとんどいないだろう。
上のプロキシを勝手にインストールして常駐させるウイルスでももってこないことには、現実的じゃない。
そしてプロキシが特定のサイトにアップロードするものである限り、ウイルス作成者の特定が容易すぎる。


余談。
どうせ絶対やらないから真面目に確認してないけど、ざっと見るところ mixi の『利用規約』の「14条 禁止事項」の欄に "mixi魚拓" を禁止するような項目は見当たらない。クローズドコミュニティにとって非公開性は譲れない性質だと思うんだが。

余談2。
「裏mixi」という名称は、mixi運営を騙るフィッシング詐欺が使っているそうだ。
言われてみればいかにもなネーミングだな。安直さが。

余談3。
よく考えるまでもなく、この「mixiのページを晒して集めるサイト」は既に実在していて、なんのことはなくそれは 2ちゃんねるだ。自動化されてないだけで。およそ日本語の web サイトで、2ちゃんねるほど規模が大きく、何も自動化せず、それゆえに何にでも使われる CGM はないな、つくづく。


追記。
コメント欄での議論に基づき、本文中の「共有する」を「晒して集める」か「無断で共有する」に変更した。ご指摘に感謝。
bosh | comments (13)
2008-06-18

期待してないものには絶望できない

Metasequoia 触ってみた。

死んだ。

まあポジティヴな表現をすれば、私がポリゴンで作った最も複雑なものが "湯呑み" から "OAチェア" になった。革命的な進歩と言える。言えるったら言える。
bosh | comments (0)
2008-06-12

切断願望

最近ようやく気づいたのだが、私の「反 mixi」の姿勢は、どうやら技術的要因よりも人為的要因が大きいようだ。

技術的要因――RSSを配信しないって思想なんかは確かに許しがたいんだが、でもそれが私にとって致命的な欠陥でないのは、こう見えてそこそこまめにログインしていることを見れば明らかだ。思想を言うなら招待制のクローズドコミュニティがそもそも趣味じゃないが、mixiほどの規模になると招待制はまともに機能しない。

それよりもむしろ、mixiによって可視化される人間関係の方を、私は強く忌避している。友人Aと接している私を、別の(私とA共通の知己でない)友人Bが観測できる、この事実が受け入れられない。なぜかはわからない。結果的に、私は mixi 上で個別的なアクションを一切起こせずにいる。だからひとの日記にコメントすらできない。

だが。しかしそれならば。

個別性が保証された空間なら、いいんじゃないのか。
最初から「友人まで」にしか公開されていない日記に対してなら、私はコメントが書けてしかるべきじゃないのか。

さっそく友人の日記を確認しようと、私はmixiにログインした。そして気づいた。

ひとの日記の公開設定、それ自体は公開されていない――。

私に「見える」日記はもちろん見える。「見えない」日記はそもそも見えない。しかし「見える」日記がどこまで公開されているものかは、どこを見てもわからなかった。

いつものように無言のまま、私はブラウザを閉じた。


余談。

読み返すと自意識過剰で鬱陶しいなこのエントリ。
まあ私は多分そういう奴で、ついでにだからって削除するのも主義じゃないので残しておく。往時の人狼BBSでは、自分が疑われる要素・可能性を正確に把握しすぎている点で疑われたような奴である私は。
bosh | comments (4)
2008-06-06

短信ラノベ途中感想

珍しく勢いづいたついでに、ここ数ヶ月で読んだライトノベルの感想も簡単に書いておく。
なんかこの日記がますます誰も読まない方向に驀進してる気がするが、まあいいだろう。


ヤマグチノボル『ゼロの使い魔』

最新14巻まで購入。ツンデレ萌え業界のファストフード路線を快走するラブコメファンタジーシリーズ。
まあ最早ツンデレもヤンデレも通り越して甘々らぶらぶなんだが、なんにせよ徹頭徹尾エンターテインメントだと割り切った萌えジャンクフードである。十年後には確実に時代遅れなんだけど、気にしてない。ジャンクフードだし。
日野聡と釘宮理恵の声で脳内朗読できますが、何か。みたいな。


支倉凍砂『狼と香辛料』

最新8巻まで購入。異世界ファンタジーだが剣と魔法ではなく商人モノ。
金は剣よりも強い、という世界で駆け引きを話の核に持ってくるのだが、手放しに上手い。とりあえず特殊能力で殺し合ってればいいんだろ? みたいな安直なライトノベルへの素晴らしいアンチテーゼであると同時に、これまた甘々らぶらぶ系だったりもする。
だが、(8巻でちょっと盛り返したとはいえ)やや中だるみ気味なのが残念。脱線せずにヨイツ方面を目指してくれると嬉しかったのだが。


入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』

2巻まで購入。西尾維新ライクなヤンデレスキー。
主人公みーくんの "嘘だけど。" という独白のドライさがたまらない。『スローターハウス5』の "so it goes" には遠く及ばないが、あの系統。
1巻にして既にどこにも行けない感が漂っていて、それが逆にいい。あとみーくんと奈月の掛け合いもナイス。


森岡浩之『星界の紋章』

1巻購入。スペースオペラにライトノベルの文法を持ち込んでみました、みたいな。
ラノベオタの基礎教養だと思って買ってきたが、予想通り設定の山。宇宙を舞台に設定しまくりで大風呂敷を広げておいて、第一巻は間の悪いところで終わるあたり、『ゼノサーガ』にそっくりで笑った。まあこの先に期待は持てるので読む気だが。
衝撃的なのは絵。画風が古いとかころころ変わるとかはまあいいとしても、戦旗II表紙のジントは頭蓋骨陥没っぽいし、戦記IIIになるとなぜか幼くなるし。本当にガイナックスの偉いヒトなのか。


田中ロミオ『人類は衰退しました』

最新3巻まで購入。衰退したヒト文明に代わり、高度な科学力を誇り甘いものと楽しいことが大好きな妖精さんたちに支配(?)された世界。
普通に面白い。ロミオなのに普通に。作者が作者なので、いつやらかしてくれてもおかしくないという期待と恐怖がありつつ、一方でこのまま仄めかし系ぽけぽけほわほわ路線をキープしてもいいなあ、という幸せな葛藤が素敵。
しかし「衰退した人類」を象徴してヒトが全員匿名なのはわかるんだけど、「孫ちゃん」には無理がないか流石に。


葵せきな『生徒会の一存』

最新2巻まで購入。ハーレム志向を公言する主人公が、美少女だらけの生徒会室で彼女らとだべるだけの話。
あらすじの印象よりは面白かったが、2巻も最後までこうだと流石に食傷気味。2巻の新キャラの立ち位置もよく分からないし。伏線を張っているのは分かるが、3巻でも話が動かないようなら切るか、というライン。


高遠豹介『藤堂家はカミガカリ』

1巻途中で放棄。異世界人たちが人間の護衛のために殺し合いしにくる話。でも実態はコメディ。
帯が「スピーディで明快な文体が、読者を(中略)離さない。この文章力は麻薬的だ」っていう高畑京一郎のアジで、騙されたつもりで中も見ずに買ったんだが、まあ騙された。地の文の視点は端々でぶれるし、シリアスシーンにも緊張感がまるでない。殺し合いしてる場面で「茶髪が倒れてぴくぴくしていた」とか、(書かないけど)心底どうでもいい理由で一時休戦とか、全体的に文法がギャグマンガなのだ。そりゃテンポはよくなるかもしれないが……。
逆に言うとギャグとして読めば楽しめたのかも知れない。web上はそこそこ好意的な評価が多いのは、そういう読み方をされているからのようだ。


杉井光『神様のメモ帳』

最新2巻まで購入。強いて言えばライトノベル版『池袋ウエストゲートパーク』。
絵買いしたが、話も当たりだった。
自称「ニート探偵」アリスが萌え萌え美少女風味で一瞬絶望したが、青春風味探偵モノとして手堅いプロットで安心して読めた。石田衣良だとちょっと悪趣味な暴力への指向も、うまいことボケてライトノベルの枠に押しこんでいる。帯で文章力が絶賛されてる本よりもはるかにまともで筋のいい文章だし、続編が楽しみ。
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